Tableau(タブロー)とは、国内外で多くの企業ユーザーに支持されているデータの視覚化に特化したBIツールです。Tableauを導入する際によく直面するのが、「Tableauにも製品/価格体系が色々あって、結局どれを使ったらよいかわからない」ということです。実際、Tableauには複数の製品やライセンス体系があり、やや複雑な構成となっています。
今回の記事では、これらTableauの製品を整理し、どのTableau製品を利用したらよいかという皆様の疑問を解決するための情報をお伝えできればと思います。
※2020/10時点の情報
なお、Tableau製品の比較ではなく、「TableauとExcelのどちらを利用すべきなの?」という疑問を持たれている場合は、以下の記事を参照してみてください。
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Tableau(タブロー)の製品まとめ:用途別
Tableauはデータ視覚化のツールなのに、なんで色々な製品があるの?視覚化ツールだけじゃないの?と思われている方も多いのではないでしょうか。
まずは、Tableau製品でどんなことができるか(用途)を以下にまとめます。
用途②:視覚化に向けてデータを準備・加工する
用途③:視覚化の結果を共有する
用途④:視覚化の結果を閲覧する
上記のように、Tableau製品ではデータ視覚化の前後のプロセスで有用な機能もカバーしています。
一方で、上記機能の全てを搭載しているTableau製品はありません。それぞれの用途に特化したTableau製品が用意されています。
まず、Tableauの製品を一覧にまとめます。
製品 | 用途① 視覚化 |
用途② 前処理 |
用途③ 共有 |
用途④ 閲覧 |
価格 |
Tableau Desktop | ◎ | 〇 | △ | 〇 | 有料(※) |
Tableau Public | 〇 | ー | △ | △ | 無料 |
Tableau Prep | ー | ◎ | ー | ー | 有料 |
Tableau Server | △ | ー | ◎ | 〇 | 有料 |
Tableau Online | △ | ー | ◎ | 〇 | 有料 |
Tableau Reader | ー | ー | ー | 〇 | 無料 |
※無料で利用可能な条件もあり
用途が異なる複数の製品がある、ということがなんとなく理解できたでしょうか。
それでは、上記で紹介した製品の特徴を、各用途ごとにそれぞれ紹介していきます。
用途①:データの視覚化
Tableauのメイン機能ともいえるデータ視覚化の機能が利用できるのは、「Tableau Desktop」、「Tableau Public」の2製品(※)です。データの視覚化ができる点では同じですが、それぞれ製品に特徴がありますので、以下にまとめます。
※Tableau Server、Tableau Onlineも簡易な編集であれば可能
Tableau Desktop
「Tableau」というと、この製品のことを指すことが多いと思います。ユーザーにとってメインとなる製品です。
(特徴)
- 他の製品に比べ、分析機能が一番豊富
- Tableau Desktopで作成したファイルは、他の製品を使って共有可能
- 名前の通り、PCにインストールして利用する製品なので、オフラインでも利用可能
- なお、Tableau Desktopは、次の3つの方法で利用可能
(1)14日間の無料トライアル
(2)学生または教師であれば、1年間無料でアクセス可能
(3)Tableauを購入する
Tableau Public
Tableau Publicは作成した視覚化を誰でもオンラインで公開できる製品です。すべての利用が無料であることが最大の特徴です。
(特徴)
- 無料で利用が可能
- Tableau Desktopに比べ、分析機能に一部制限(一部の高度な機能の制限)がある
- 作成したグラフを保存する際にはWebで公開して共有する必要がある
✔すべてのデータとワークブックが全Tableauユーザーに公開される
✔上記より、秘情報を用いた分析は実施できない
✔ファイルはWeb上に保存されるため、過去の保存ファイルを開く際や、ファイルを保存する際にはネットに接続されている状態(オンライン)である必要がある
用途②:データの準備・加工
次にデータ準備・加工を行う製品である「Tableau Prep」を紹介します。Tableau Desktopでも一定のデータ加工は可能ですが、必ずしも使いやすいとは言えませんのでそこを補うツールとなっています。
Tableau Prep
Tableau Prepは、視覚化を行うための他の製品とは異なり、視覚化の前処理であるデータ加工の機能に特化た製品です。
(特徴)
- Tableau Desktopとは違い、「確認しながら」「直感的に」データ加工することが可能。
✔全体のデータ加工フローを確認しながら
✔実際のデータや加工後の結果を確認しながら
用途③:視覚化の結果の共有
Tableauでの視覚化結果を公開・共有するための機能を利用できるのは、「Tableau Server」と「Tableau Online」の2製品(※)です。こちらも視覚化結果の共有ができる点では同じですが、それぞれ製品に特徴があります。
※Tableau Publicも全世界への公開・共有という意味では可能
Tableau Server
Tableau Serverは、Tableau DesktopがPC上での利用に対し、名前の通りServer(サーバー)上での利用が可能なことが特徴です。Tableau Desktopで作った視覚化の結果を公開して多くの人で見るためのための製品です。
(特徴)
- Tableau Desktopで作成した視覚化の結果をServerにアップロードすることで、多くの人がWEBブラウザ上で結果を閲覧することが可能
- Tableau Onlineとは異なり、オンプレミスやプライベートクラウドで利用するため、インフラの用意や導入後の運用保守についてはユーザー側で行う必要がある
- 視覚化結果の簡易な編集であれば実施可能
Tableau Online
Tableau Onlineは、Tableau社が運用管理しているServerを利用することで、自組織でサーバを構築せずともTableau Serverを利用することができるサービスです。
(特徴)
- Tableau Serverの機能が利用可能
- Tableau社の(社外の)Serverを利用するホスティング、クラウドサービス(自社内のセキュリティポリシーとして、データを社外に載せることができるかは確認必要)
- Serverの設置等なく、導入後すぐに利用が可能
用途④:視覚化の結果の閲覧
最後に「Tableau Reader」を紹介します。
PDFで例えると「Acrobat Reader」のような立ち位置です。
Tableau Reader
Tableau Readerは、Tableau Desktopでの視覚化結果を閲覧する機能だけを有しています。
(特徴)
- 無料で利用可能
- Tableau Desktopで作成した視覚化結果を閲覧可能
- 視覚化の作成や編集は不可
Tableau(タブロー)のライセンスまとめ:価格別
それでは次に、Tableauを価格別で以下にまとめます。
ここで少しややこしいのですが、Tableauの製品を、その製品ごとで購入することはできません。(Tableau Desktop:○○万円、Tableau Prep:○○万円、のような価格体系ではない)
まず、Tableauには以下の3つのライセンス体系(ライセンスプログラム)が存在し、それごとに利用できる製品と価格が異なります。
②Tableau Explorerのライセンス
③Tableau Viewerのライセンス
ここまで読んだとしても、皆さん「ライセンス??」という状態かと思いますが、そのライセンスごとの違いを下記にまとめます。
項目 | ライセンス① Tableau Creater |
ライセンス② Tableau Explorer |
ライセンス③ Tableau Viewer |
説明 | Tableauの導入には、このTableau Createrのライセンスプログラムが1つは必要です | Tableau Serverを使い視覚化の結果を触る機会が多い方向けのライセンスです | Tableau Serverをとりあえず使う場合がある方向けのライセンスです |
利用可能な 製品 |
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できること | ①視覚化 ②前処理 ③共有 ④閲覧 |
①視覚化 の一部 ③共有 ④閲覧 |
③共有 ④閲覧 |
1ライセンス 価格 |
102,000円 | 51,000円(※1) or 60,000円(※2) |
18,000円(※1) or 22,000円(※2) |
最低 購入数 |
1ライセンスから | 5ライセンスから | 100ライセンスから |
このライセンスを選択すべき方 |
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※1:展開オプションが、Tableau Server(オンプレミス、プライベートクラウド)の場合
※2:展開オプションが、Tableau Online(Tableauによるホスティングサービス)の場合
少々ややこしいですが、ポイントはTableauでいわゆる視覚化をしたい場合には、ライセンス①を利用する必要があり、一人10万かかるということです。
いかがでしたでしょうか。上記以外にも細かい違いはありますが、この記事で少しでもTableauの製品の違い、ライセンスの違いを整理していただけたらと思っております。
尚、これから本格的にTableauを勉強しよう!と思われている方は是非下記記事も参考にしてみてください。
当記事でTableau導入時の疑問となる価格やライセンスについて、お分かりいただけたと思います。
一方で、実際にTableauを利用する場合には今回の記事のように単純でないこともあると思います。Tableauの導入・利用をお考えの方は、ぜひ当サイトからご相談ください。
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